2. 本来の自分育て
伊東聖鎬 著
多くの人が、親に、先生に、社会に、国に騙され、感受性も失くし、青春もなく、主体性もなくなり、他人の、社会の、価値観の上でしか自分の人生を考えることができなくなっています。
そんな人間が、大学に、そして有名企業に就職していきます。
自分の哲学もなく、親が喜んでくれる、周囲の評価を気にする。外見に囚われ、人生を、全体を通してほとんど考えられない。
そんな人間が、自分を発見したい、自分を育てたいと求めることもなく結婚し、子供もできるのです。
何の期待もなく子育てをしていると、上の子は本当に何も考えない子に育ちます。しかし、下の子は、そんな上を見てきたせいか、自分で考えるようになります。
自分(親)は、二人の子とは違っている。それは、自分の両親の望む生き方があり、人間像があったのです。また、先生が求めている、社会が評価する人間像があったのです。自分は、それに応えようとして生きてきた。つまり、両親にも、先生にも、人を育てる意図、目的があって、その上で自分は育てられ、育ってきてしまったのです。
しかし、二人目の子は、そんな意図も、目的もない中で自由に育ってきました。そして、子はそれぞれ、全く違う二人になったのです。親が何の期待も、意図も目的も持たずに育てると、子は自分の意図の中で育っていくのです。
下の子は、いつも何かを考え、あれをやったり、これをやったり、ずっと先を見て、考えて生きている。上の子は、行き当たりばったりで、主体性もなく、自信なげに生きている。
そんな上の子が、そんな自分に気づき、自分を育てたいと思うようになるのは、どんなきっかけがあったときなのでしょうか。下の子が、同じように自分を育てたいと、さらに向上しようという気になるのは、どんな状況があったときなのでしょうか。
成人年齢18歳へ
2022年4月まで、日本の成人は20歳でした。世界的に見ても18歳以上という国が多い中で、日本は長い間、成人を20歳としてきました。
出張や留学等で、海外に出て生活する日本人も多くなり、それぞれの国の青年たちとの関わりも増え、日本との比較も容易になりました。それにより、日本の青年たちの、大人としての自覚が遅いのではないかという感想や思いを持つ人も多くなり、成人年齢が20歳であることに違和感を持つ人が多くなったのです。
そんなこともあり、遅まきながらようやく2022年4月1日より、成人年齢を18歳に引き下げました。公職選挙法や憲法が一部改正され、18歳で国民投票権を持つことができるようになりました。
また、親の同意を得ずに様々な契約をしたり、自分の居住や進路を自分の意思で決めたりすることができるようになりました。
高校3年生の18歳は、父母の親権に服さない年齢だということです。様々な国家資格も取ることができ、男女共に結婚可能年齢です。
だからと言って、飲酒や喫煙、競馬などの公営競技に関する年齢制限は、20歳のまま変わっていません。成人年齢が引き下げられることで、大人としての自覚を促し、大人としての言動に責任を持つよう期待されているのです。
「小学、中学、高校時代」は、成人になるための準備期間ということができます。
20歳での成人では、高校を卒業しても、少し間がありました。しかし、満18歳は、高校生で成人になるのです。それは、中学生にとっても、高校生にとってもプレッシャーであり、また期待が大きく膨らむということでもあります。
しかし、高校卒業までに、自分の人生を考え、将来・未来を決められるのかといえば、それには無理があります。
